浜松市東区の小児科・アレルギー科 にしお小児科

 2017年11月 

胃腸炎は、大きく分けて細菌性とウイルス性に分かれます。夏によくある食中毒は、主に細菌性です。食中毒の場合には、下痢だけでなく、激しい腹痛と嘔吐、時に発熱をともないます。治療は、点滴をおこないながら原因となる細菌を突き止めてそれに対する抗菌剤を投与します。

ウイルス性の場合は、ノロウイルスやロタウイルスに代表されるもので、症状は嘔吐と頻回の下痢です。乳幼児が多く罹患し、保育園、幼稚園などで集団発生しやすいです。治療は、症状に対する対症療法のみで、OS-1などの経口補水をおこない脱水を予防して症状が治まるのを待つことです。全く経口的に補水ができない場合には、点滴をおこないます。乳児や幼児期早期の児では、回復がゆっくりで下痢がなおるには2週間以上かかる場合があります。その間は、お粥など糖質を中心とした食事を与えることで回復を待ちます。

咳がでる原因には大きく分けて二つあります。

(1)ウイルスなどの感染やアレルギーによって気道の粘膜が腫れて敏感になるため、温度変化などの小さな変化で咳がでやすくなる。

(2)喉や気管支に痰や鼻水がたまる場合にそれを体から出そうとする反応としておこる。

(1)の場合はもとの病気の状態を反映しますので、原因に対する治療と咳で体力が消耗しない程度に咳止めの薬をつかうことがよいのですが、(2)の場合は体から痰などを出したいという体の防御反応なので、咳によって哺乳ができなくなったり眠れないなどでなければ、咳を薬で止めることだけでなく、水分摂取と加湿や薬などで痰などを出しやすくしたり、鼻水を吸い出したりする対処が必要とされています。